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ヴァディム・レーピン スヴェトラーナ・ザハロワとの「家族」共演プロジェクトや安倍首相との面会について
9月26日、世界的に有名なロシアのヴァイオリニスト、ヴァディム・レーピンとボリショイ劇場のプリマ、スヴェトラーナ・ザハロワが新たな共演プログラムを上演するため、再び日本を訪れる。日本公演を前に、レーピン氏が通信社スプートニクに、妻であるザハロワ氏との共演について、安倍首相との面会や日本に対して抱く感情、その他たくさんのことについて語った。 またスプートニクとロシア文化を紹介するフェスティバル「ロシアの季節」が共同で行ったフォトコンテストの優勝者へ「サインをもらいに来てください」とのメッセージを贈った。

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偉大なヴァイオリニストでやさしい夫

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ヴァディム・レーピン氏(46)は、世界的に著名なヴァイオリニストであり、トランス=シベリア芸術祭の創始者であり、バレリーナのスヴェトラーナ・ザハロワ氏(38)の夫という複数の役割をこなしている。レーピン氏は11歳の時から世界の名高いコンサートホールで演奏しているが、日本に対しては特別な感情を抱いているという。 レーピン氏がコンサートのために初めて日本を訪れたのは1980年代半ば。それ以来、1シーズンに1度は訪日している。
日本のお客さんを私はもう約30年にわたって知っています。彼らはとても献身的な観客です。これはとても大切なことです。私は数人の顔を覚えています。彼らは来る年も来る年も、時には日本の別の地域に住んでいながら、日本の様々な場所で開かれる私のコンサートに来てくれます。
ヴァディム・レーピン氏

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ソーシャルメディアは私とスヴェトラーナ・ザハロワの共演で爆発しました。

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レーピン氏は今年すでに日本を4回訪れており、9月末にはザハロワ氏と一緒に再び訪日する予定だ。この才能あふれる夫婦は、日本の観客たちに「家族」共演プロジェクト「パ・ド・ドゥfor Toes and Fingers1,5」を披露する。
「スヴェトラーナ・ザハロワとのこの共演プロジェクト『パ・ド・ドゥfor Toes and Fingers』は、数年前から存在していますが、非常に特別なものです。なぜならすべての参加者を集め、私とスヴェトラーナのスケジュールを合わせるのはとても難しいからです。『パ・ド・ドゥfor Toes and Fingers』を上演するために全員が集まれるのは年に2回から3回です。このプロジェクトには毎回なんらかの新たな要素が加えられています。スヴェトラーナに新たな演目を上演したいという願望が生まれたりするのです。なおそれは私をさらに惹きつける作品です。ですからこの演目は常に少しずつ発展しています。昨年はトランス=シベリア芸術祭の一環として東京で公演を行い、とても珍しいものだったのでソーシャルメディアが爆発しました。ですから、このプロジェクトをもう一度というたくさんの要望により、私たちは1,5バージョンで2回目の公演をすることにしたのです。いつもよりもたくさんの変化があり、今回は私の演奏には新たな作品が、スヴェトラーナ側からは新たな振り付けが登場します。」

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共演は(2人の関係に)別の愛情や感情を与える

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ヴァディム・レーピン氏とスヴェトラーナ・ザハロワ氏は非常に多忙な夫婦であり、2人はなかなか会うこともできないという。そのため共演プロジェクトは2人にとって会うチャンスを増やす機会でもある。とはいえ、両氏はすぐに共演に同意したわけではない。
「『パ・ド・ドゥ』が生まれた当初、私たちは一緒に舞台に上がるつもりは決してなく、むしろできる限りそれに強く反対していました。ですが、ある1人の人物がいて、その女性が文字通り私たちにそれを強要したんです(笑)彼女が説得にかかった期間は1年半でした。彼女はこのプロジェクトは実現するという固定観念を持っており、彼女のおかげで私たちは折れて共演してみることにしました。実際のところ、私たちは共演が気に入りました。一緒に舞台に上がることは何らかの別の愛情や感情を与えてくれるからです。でも、私たちが望むほど頻繁には公演できません。
ヴァディム・レーピン氏
レーピンとザハロワ夫妻は近いうちにも完全に生まれ変わった新バージョンの「パ・ド・ドゥ」を披露する計画だ。レーピン氏によると、アイデアも構成も振り付けも音楽も全く新たなものになる。

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安倍首相との面会はとてもあたたかいものでした

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ノボシビルスク出身のレーピン氏に2014年、シベリアの都市の文化的な「架け橋」になる音楽祭を創設するというアイデアが浮かんだ。そしてトランス=シベリア芸術祭が生まれた。同芸術祭には当初からバレエ界のスターや世界の著名な音楽家たちが参加した。芸術祭はしだいに境界を広げ、2016年には初めて日本で開催された。 芸術祭はすぐに大勢の人々の関心を呼んだ。安倍首相もその一人だった。首相はレーピン氏と個人的に2度面会した。2017年にはフェスティバル「ロシアの季節」開幕後にレーピン氏とザハロワ氏の表敬訪問を受けた。
写真:トランス=シベリア芸術祭
国の首脳が関心を表すということ自体がすでに素晴らしいことです。首脳の1日のスケジュールをご想像できますか?ですから突然日本に根を下ろそうとしているシベリアからのプロジェクトが首脳の関心を呼んでいるということは、私にとって非常に大きな賞賛なんです。私は安倍首相と面会できて幸せでした。面会はとてもあたたかいものでした。今年、フェスティバル『ロシアの季節』開幕後にも安倍首相はスヴェトラーナと私を招待してくれました。演目に感激したことを伝えるためでした。これはとても人間的で、とても喜ばしいものでした。安倍首相の率直な関心のおかげで、プロジェクトが別のレベルに移りつつあるように思われます。私は首相の関心にとても感謝しています。
ヴァディム・レーピン氏

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日本の新星

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朝食をとりながら行われた記者懇談会で、スプートニクはレーピン氏と話をすることに成功した。そこではサプライズがあった。レーピン氏は、「ブラームス国際コンクール」のヴァイオリン部門で賞を受賞した日本人の吉本梨乃さんについて語った。
写真:Günter Jagoutz Foto-Video, Klagenfurt

レーピン氏は彼女は新米の演奏家だが、恐らくそのうち世界クラスの本物のスターになるだろう」と語った。
またレーピンは、スプートニクと「ロシアの季節」が共同で開催したフォトコンテストで、神代芽生さんが1位になり、「パ・ド・ドゥ for Toes and Fingers1,5」の招待状が贈られることを知り、神代芽生さんに次のようなメッセージを贈った。
何かで賞をとるのはすごいことですよね!今後さらにたくさんの賞を受賞されることをお祈りします。どうぞ私たちのサインをもらいに来てください!
ヴァディム・レーピン氏
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筆者
アナスタシア・フェドトワ

デザイン
アナスタシア・フェドトワ

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スプートニク、「ロシアの季節」、「トランス=シベリア芸術祭
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