秋に行われたイベントで一層の光を放ったのが「トランス=シベリア芸術祭」の日本公演だった。この芸術祭を仕立て上げ、率いているのは世界的に有名なロシア人ヴァイオリン奏者のワジム・レーピン氏。レーピン氏は妻でバレリーナのスヴェトラーナ・ザハロワ氏とともに、昨年の日本公演で大きな評判をさらった『パ・ド・ドゥ for Toes and Fingers』にさらに磨きをかけた新たなバージョンを披露した。
「スヴェトラーナ・ザハロワとのこの共演プロジェクト『パ・ド・ドゥfor Toes and Fingers』は、数年前から存在していますが、非常に特別なものです。なぜならすべての参加者を集め、私とスヴェトラーナのスケジュールを合わせるのはとても難しいからです。『パ・ド・ドゥfor Toes and Fingers』を上演するために全員が集まれるのは年に2回から3回です。このプロジェクトには毎回なんらかの新たな要素が加えられています。スヴェトラーナに新たな演目を上演したいという願望が生まれたりするのです。なおそれは私をさらに惹きつける作品です。ですからこの演目は常に少しずつ発展しています。昨年はトランス=シベリア芸術祭の一環として東京で公演を行い、とても珍しいものだったのでソーシャルメディアが爆発しました。ですから、このプロジェクトをもう一度というたくさんの要望により、私たちは1,5バージョンで2回目の公演をすることにしたのです。いつもよりもたくさんの変化があり、今回は私の演奏には新たな作品が、スヴェトラーナ側からは新たな振り付けが登場します。」